ウッドショックで、改めて木材の自給率(令和2年:41.8%)の低さに驚きましたが、
我が国の食料自給率(カロリーベース)の37.1%に、ショックどころか、絶望を感じてしまいました。
すみません、またまたぼやきをしてしまいました、福島営業所の菅野です。
(引用:林野庁HP)
ご存知のとおり、新型コロナウイルスの感染拡大やウクライナ紛争(戦争?)によって、
原油や穀物価格がじわじわと高騰し、食料品の値上げが始まりました。
我が国の食料自給率は、先進国のなかでも低い状態が長年続いていて、世界情勢が緊迫するなか、
食料安全保障への関心も高まっているのですが、政府は相変わらず、何もしていません。
やはり食料と水は、ただで手に入ると思っているのですかね。
農林水産省によると、日本の食料自給率は食生活の多様化、
農家の高齢化による農地減少などを背景に低下し続けている、と言っていますが、
これはもう言い訳に過ぎず、完全な米作中心の農業政策の失敗だと思うのです。
国土面積の近いドイツが徐々自給率を改善してきていて、
近年は80〜90%の自給率があるというのに、、。
我が国の食料自給率は、コメに限ると、100%。
(なぜ100%でないかといえば、アメリカ「様」に押し付けられるミニマムアクセス米があるためです)
主食用穀物に限ると、60%に下がります。
何しろ、大豆、小麦、トウモロコシの自給率が極めて低いですから。
食料安全保障は、崩壊状態なっていると思います。
さらに、畜産向け配合飼料を含めた穀物自給率は、28%しかありません。
我が国よりも穀物自給率が低い先進国は、オランダくらいしかありません。
怖いのは、ロシア・ウクライナ紛争の影響で、穀物価格が上がるのに加え、
今後、米価が低落し、日本のコメ農家が次々に廃業していく可能性が高いことです。
さらには、配合飼料が入ってこなくなる、
あるいは価格が高騰することで、畜産業も立ち行かなくなることが確実です。
今後、日本で更に「食料価格高騰」が進んでいくと思いますが、
例により、もっとグローバル化・もっと移民政策が必要だ、
あるいは規制・構造改革をしてもっと民間に任せるべきだと叫ぶ方たちは、
「だから、農業自由化が必要だ!」と、また言い出すでしょうね。
そうじゃないと、小生は思うんです。国民が「食」に困っているのは、
食料安全保障を無視した農業への支援(政府の支出)削減や、規制緩和、自由化、
「自由貿易」推進の結果であるという事実を、国民が早急に共有する必要があります。
今までの、食料も労働力も安ければどこでもいい、
「自分だけ、今だけ、金だけ」のグローバル化至上主義のツケが回ってきたということですかねえ。
そろそろ、自国内のことに真剣に目を向けない、孫子の代まで相当恨まれると思いますがね。
本当にシャレになりません。暗い話ですみません。また、お会いしましょう。